【後編】
「WOOLISH」の魅力と可能性

LIFiLLが生み出した、他にはないオリジナル素材「WOOLISH」。
ウール100%なのに、チクチクしない。素肌に触れたくなるようなとろける肌触り。その特別な生地が生まれる背景には、職人たちの技術と情熱がありました。
今回はWOOLISHの生地を生み出している工場様にお話を伺いし、その情熱と苦労を語っていただきました。

ウールを扱う難しさ
―染色の部分について詳しくお伺いしたいのですが、まずどの工程に一番時間がかかりますか?
染色機でのウールのスケール処理と、染色に時間がかかります。
同じスーパー140'Sでも若干繊度(※1)や長さが違うんです。果物や魚で想像してください。同じランクのものでも若干個体差がありますよね?少し色が違ったり、大きさが若干小さかったり。ウールも生き物なので、どうしても個体差があり、染料を吸うスピードも異なります。特に色合わせについては毎回苦労しています。
※1 繊維1本1本の太さ

―なるほど。やはり天然繊維は扱いが難しいんですね。他にウールを加工・染色する際に気を使っている部分はありますか?
温度管理ですね。ウールのスケール処理は温度が上がりすぎると失敗しますし、染色は急激に温度を上げるとムラになるため、少しずつ昇温するように管理しています。
ウールの防縮性を高める加工は紳士もののウールスーツのウォッシャブル加工の技術を応用しています。この技術は昔から受け継がれているもので、それをカットソー素材に適応させているんです。

―他に何か大変なことなどありますか?
特殊原料なので、すぐに原料が集まらないというのはありますね。市場の状態にもよりますが、原料を集めから紡績(糸を作る工程)までトータルで約1年程度かかります。グレードが低いものはたくさんあるので、わりと集まりやすいのですが、ランクが上がれば上がるほど、原料集めにも日数がかかります。そして紡績にも時間がかかる。この紡績もどこでもできるわけではないので…。原料が良いほどやっぱり難しいです。
手間がかかるこのウールという素晴らしい原料を「洋服」という形にしてもらって、弊社としても嬉しく思っています。
―こちらも良い生地を作っていただいて、本当に頭が上がりません。
色々背景をお話いただきましたが、工場様から見て、改めてWOOLSIHはどのような生地ですか?
高級な原料を使用している生地にも関わらず、手に取りやすい価格の商品だと思っています。
また、ウールの使用が減少している中、オールシーズン着用できる薄手のカットソーは、ウールの可能性を感じていただける商品だと思います。
―このクオリティを維持できるのは皆様のご協力のおかげです。
最後にLIFiLLのアイテムを購入いただいているお客様へ何か一言お願いいたします。
もともとの糸が高級で素晴らしいのですが、そのイージーケアの加工技術も実は古くから受け付いた技術を継承してニットに応用していることを知っていただければ嬉しいです。
ウールのTシャツをオールシーズンお試しいただき、スーパー140’Sの素材と加工の良さを実感していただければと思います。
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