「生活(LIFE)を満たす(FiLL)」vol.2
「LIFiLLのはじまり」
COTTONY® BASIC SWEAT
小和田&青山:伊勢丹新宿店メンズ館でのPOPUPではたくさんのお客様にご来場いただき、誠に有難うございました。「気持ち良い!」「初めて知ったブランドだけど、これからたくさん着ます!」とお客様からの素敵なお言葉に、只々嬉しい気持ちと今後のものづくりへの励みとなる2週間となりました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
小和田:今回はCOTTONY® BASIC SWEATのご紹介なのですが、その前に少しだけLIFiLLの始まりについてお話させてください。
5年前に素敵なニッターさん(生地を編んでくださる工場)との出会いがあり、「甘撚りのスーピマコットン×特殊な柔軟染色」の掛け合わせから生まれた生地を見せていただきました。
今でも忘れない、触った瞬間の「なんやこの気持ちいい生地!」という衝撃。風合いを最優先し、あえて手間のかかる工程を積み重ねた生地。それは、決して安価なものではありません。
けれども、あの触れた瞬間の感動を、どうしても伝えたい。
僕が求めたのは「ブランドを作ること」ではありませんでした。この素晴らしい素材を、どうすれば純度を保ったまま手渡せるか。その答えが、直接お客様と向き合える今の形だったんです。
「甘撚りのスーピマコットン×特殊な柔軟染色」から生まれた、唯一無二の肌触り。私たちはそれを『COTTONY®』と名付けました。LIFiLLにしかできない表現を。その探求が、すべての始まりですね。
青山:当時僕は別部署でジャージーではなく布帛(織物)をメインに日本製でものづくりをしていましたが、小和田さん界隈がザワザワしていた記憶があります(笑)。あの時期は新型コロナウィルスの影響でオーダーも全て止まってしまい、工場さんと何かできないか試行錯誤してましたよね。
小和田:そうやね。工場さんの穴が開かないように自分たちが主導となってオーダーを入れていきたいという想いと、COTTONY®との出会いがLIFiLLが立ち上がったきっかけかな。まさか青ちゃんが入ってくるとは思ってもいなかったけど(笑)。
布帛目線でのおもしろいアイデアがどんどん出てきて、生地も製品づくりも今が一番楽しいね。
青山:嬉しい言葉です。僕もCOTTONY®にくらったヘッズなので。ではCOTTONY® BASIC SWEATについて話していきましょう。
「限界数値の甘撚り」が生み出す、ふっくら軽やかな糸
小和田:原綿はアメリカの超長綿であるスーピマコットンを100%使用しています。摘み取られた綿は輸送時に圧縮されてしまうので、紡績(※1)前に本来の綿のふっくらとした状態まで時間をかけて戻していきます。この綿を不均一な空洞が生まれる特殊な紡績をすることで、一般的な糸よりも軽く仕上げているんです。
またここからさらに「甘撚り(※2)」で糸にしていきます。これがまた難易度が高くてですね…。
1つ目は不均一な空洞がある為箇所によって糸を撚る強さを変えなければいけないという点。天然繊維=生きものなので、収穫できる綿のコンディションが毎回同じではないんです。ここは熟練の職人さんが調整をかけていきながら、クオリティをコントロールをしてくださってます。
2つ目は「限界数値での甘撚り」という点。できあがった糸をほんの少しの力で引っ張ると、すぐに糸がほどけてしまうくらい脆い。糸として成立するかどうかというレベルの状態なので、当然ロスが多く生まれます。量産性や効率を考えればなかなか手を出せる糸ではありません。
この逆張りのような手法をとることで、膨らみはあるのにとても軽い着心地が生まれるんです。
※1 綿花や羊毛などの繊維から糸を作ること
※2 糸の撚り方がゆるやかなもの
青山:この甘撚りの糸とそれを編む機械を現場で見ると、矛と盾的なギャップが凄いですよね。とても繊細な糸を編むために、編む際に糸が機械に通る滑りをよくするワックスをつける際もコットン用ではなくウール用の高いワックスを使用したり、通常の半分程度の速度で糸が切れないようにゆっくりと編んだり…。
ニッターさんの熟練された技術によって染める前の生地が完成していきます。この段階でもすでに柔らかくて気持ちいいなと感じます。
「甘撚り×特殊な柔軟染色」が生み出す上品な裏毛
小和田:35番手の双糸で表は天竺編み、裏糸をループ状に編み込み、少し浮かせたタオル地のような生地に仕上げています。
裏のループ部分にボリュームを出すことで空気を含み、ふっくら軽やか。「限界数値の甘撚り×熟練された職人技術」で生みだした特別な裏毛になります。編み方自体は基本中の基本なんですけどね。
この生地を特殊な柔軟染色によって染め上げる事で、「上品な艶としっとりとした気持ち良さ」が生まれます。甘撚りの糸を使用しているので、生地の表面に産毛のような毛羽が立ってしまうのですが、バイオ処理(※3)することでなめらかでクリアな表情にしています。
その後に特殊な柔軟染色を2回行うことで、甘撚りの不均一な空洞にしっかりと染料が入り生地に締りと独特なヌメりが加わります。また長時間染めることで、色が深く褪せにくい仕上がりに。
さらにLIFiLLがこだわっているのが「丸仕上げ」になります。通常は筒状に仕上がった生地をカットして開いて、ロールに巻いて反物として販売されるのですが、僕たちはロールに巻かず出来上がった筒状のまま管理し製品を作っていきます。生地を引っ張ったり巻き取ったりするストレスをかけない事で、ふっくら柔らかい仕上がりを最大限活かしたまま製品が出来上がります。
※3:バイオ加工(酵素処理)は、セルラーゼ酵素を用いて繊維表面の不要な毛羽(けば)を分解・除去し、なめらかで上品な光沢のある風合いに仕上げる技術

青山:原綿のポテンシャル・糸の紡績・編み立て・特殊な柔軟染色・丸仕上げ…と、各工程の相性の良さが掛け合わさり「COTTONY®」が生まれています。
職人の皆さまのきめ細かな調整が、この相性の良さを最大限まで引き出してくださっているなと現場でお話しを聞くたびに感じます。本当にありがとうございますと、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。
こうして仕上がったCOTTONY® BASIC SWEATは「素肌に着れる裏毛」と僕はいつも伝えています。体をやさしく包んでくれて、ごわつきと重さが無く着疲れしない。タフに洗濯して着こんでも褪せない色と風合い。手に取る機会が気づくと増えて日常に溶け込んでくれるようなスウェットです。
ハイゲージセーターのような現代的スウェット

小和田:デザインに関してはですね...正直普通すぎて話すことが少ないかも(笑)。生地の良さを感じていただくことを優先して、皆さんが着慣れている癖のないベーシックなバランスにしています。
個人的にかっちりしたサイズ感が得意でないので、肩の力がほどよく抜けたサイズ感になります。
青山:シンプルでベーシックな形だけど、「COTTONY®」の裏毛を使うことでハイゲージセーターのような艶と落ち感が生まれ、スウェット×デニムのような定番カジュアルなスタイリングも、クリーンで大人な印象になるんですよね。僕はジャストサイズで3(M)で4(L)も両方着ますが、どちらで着用しても着ぶくれしません。この時期ですとジャケットの下に合わせても、バストやアームホールのごわつきなく着用でき、現代的なスウェットの要素としては重要なのかなと感じています。
小和田:綺麗な表情と貼り付けのガゼットのミスマッチ感が良いアクセントになってると思う。あくまでデイリーカジュアルな洋服なので。また別でご紹介するのですが、「COTTONY® 吊裏毛 OVERSIZED SWEAT」はガゼット無しのリラックスシルエットになので、この2つを好みで比較検討していただけると嬉しいです。

青山:スタイリング参考に僕と女性スタッフの着用写真を。ちなみにどちらも全身ジャージーです。
僕はボトムにWOOLISH MILLED SMOOTH SLACKSを合わせています。着ていてとにかく楽なのに、ちょっとキマるみたいな。ほぼ毎日こんな格好してます。
女性スタッフはCOTTONY® URAKE RELAX PANTS for WOMENを合わせています。上下スウェットなのにどこか品を感じれるんですよね。最近このURAKE RELAX PANTSも動きが良くてとても嬉しいです。

MEN :172cm Size3(M)

WOMEN :162cm Size2(M)
小和田:リラパン(RELAX PANTS)シリーズは、一見どれもジャージーとは分からない仕上がりで、スウェットなんて!と怒られるかもですが、オフィスカジュアルOKな方はぜひチャレンジしてみてほしいです(笑)。僕も青ちゃん同様、COTTONY®BASIC SWEAT × WOOLISH MILLED SMOOTH SLACKSが定番になったね。
青山:同じデスクですけどスタイリングが被るのも気にならなくなって、もはや制服になりましたね。少しずつ春を感じられる日も増えてきて、裏毛が今から大活躍の季節になります。毎日着るスウェットが、「COTTONY®」に変わるだけで、いつもより少しだけ背筋が伸びたり、ワクワクしたり。そんな風に、皆さんの毎日を彩る一着として、たくさん袖を通していただけたら幸せです。
先日のCOTTONY® BASIC SWEATのインスタライブ、保存せず消えてしまったのでまたやりましょうか(笑)。
小和田:まじか…。本当に恥ずかしいけど皆さんに素敵な生地をお伝えできるよう頑張ります…。
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