「生活(LIFE)を満たす(FiLL)」vol.5
日本技術の結晶
GIZA45 OVERSIZED SHIRTS
青山:先日開催いたしましたNEWoMan新宿POPUPにご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
商品を直接お手にとっていただきながら、その背景にあるものづくりの精神や物語をお伝えできたことは、作り手としてこの上ない幸せでした。
皆様の反応を肌で感じ、直接言葉を交わせる機会は毎回非常に貴重です。いただいた温かいお言葉を糧に、スタッフ一同さらに良いものづくりに励んでまいります。
次は4/22(水)~5/6(水)にて伊勢丹新宿店メンズ館にてPOPUPを開催いたします。今回は昨年の伊勢丹POPUPでも好評いただきました「GIZA45 OVERSIZED SHIRTS」をご紹介します。
エジプト産最高級超長綿「GIZA45」との出会い
青山:まずはこの生地が生まれた経緯ですね。そもそも、どんなきっかけで開発が始まったんですか?
小和田:布帛(ふはく、織物のこと)のようなシャツをジャージーで作りたかった、というのが開発のスタートですね。布帛らしい質感を出すには、細番手かつハリ・コシのある糸でないと表現できないだろうと思っていて。「COTTONY®」とはまた違う可能性を求めて辿り着いたのが、この「GIZA45」だったんです。
この「GIZA45」はエジプト産の超長綿なのですが、その中でも最高品種といわれるのがこの「45」。非常に手間がかかる上に、収穫できる量もごくわずかなことから「幻のコットン」とも呼ばれています。今では契約栽培や流通経路も限られており、手に入れること自体が困難な原料なんです。
青山:昨年海外向けのイベントに出展した際に、業界の方々からも「これ本当にGIZA45なんですか?」と言われました(笑)。そのくらい希少なんです。この原料をまだ使うことができる環境であることは、本当にありがたいことなんだなと改めて感じました。いつまでこの生地や洋服を作り続けられるだろう…。そう思うと、より一層愛着が湧いてきますね。
小和田:世界での年間綿花生産量が約2600万tと言われる中で「GIZA45」はそのうちのわずか10tほど。数字で見るとなぜ「幻」と言われているのかが分かりますね。青ちゃんが言うようにいつまで作り続けれるかわからない大切な原料だからこそ、天竺というひとつの組織に絞って生地作りを始めました。
「GIZA45」×「ハイテク編み機」が生んだオリジナル生地

小和田:140番双糸の極細番手で紡績。ハリ・コシと艶が最大の特徴の糸を46ゲージという超高密度で編み上げたのがこのシャツの生地です。
ゲージっていうのは1インチ(2.54cm)間を何本の編み針で編むか、ということですね。例えば8ゲージなら1インチの間に8本の針があることを意味しています。
ゲージ数が上がるほど針も細くなっていくのですが、普通の綿の糸だと太すぎて、そもそもこの46ゲージを編める機械の針に糸が通らないんですよ。なので、ポリエステルなど希望の細さの糸を作れる合成繊維を使って編むことが多い。合成繊維を使うと軽さや形状安定性もだせますからね。
でもLIFiLLでは綿100%、しかも希少なGIZA45。超長綿で作る超番手の糸だからこそ46ゲージでも編める。
これ依頼した時はどんな見本が上がるんだろうなとワクワクして待ってましたね。
青山:綿100%で作るところが小和田さんらしいですね。この生地は本当に凄いです。まず艶がとんでもないですね。シルケット(※)もかけていますが、それがさらに糸の綺麗さを引き立てています。
※シルケット加工:シルクのような光沢を出すために用いられる加工。
小和田:そのままだと艶が出すぎるので、あえて製品で洗いをかけて販売をしています。ニッターさんからは「もったいない!何してんの!」と言われましたが(笑)
LIFiLLは「大人が着られるカジュアルな洋服」をテーマにしているので、洗いをかけないとちょっと綺麗すぎる生地なんですよね。
青山:洗いこんでいくと綿100%の柔らかな風合いが増していくのですが、表面の良い表情は崩れずそのまま。また、洗濯後にシワを伸ばして干せば、ノンアイロンでも綺麗に着ていただけます。ホワイト以外は透けを気にせず着られる厚みなのですが、それでいてすぐに乾く。出張や旅行の際にも、一枚あると本当に重宝するんです。
小和田:合繊の機能素材でなくても、天然繊維の力でここまで快適で楽なものが作れる。天然繊維にはまだまだ可能性があって、色々表現できそう、っていうのをよく青ちゃんと話すよね。
ニッターさんが根気よく生地づくりを支えてくださっているので、トレンドに左右されず、自分たちが生み出したオリジナル素材の価値を長く伝え続けたいと思います。

ハイゲージジャージーで作るドレスシャツ
小和田:ではお次はシャツのデザインについて。
ドレスシャツのような凛とした静かな佇まいと、空気を纏うような軽くてリラックスした着心地を両立できるようなデザインを意識しました。
縫製も非常に緻密で、3cm間21針という非常に細かい運針で縫っていただいています。襟の写真を見ていただくとステッチの糸がほとんど見えないのがわかりますかね?

青山:10年近くお世話になっている布帛専門の縫製工場さんで縫っていただいてるのですが、すぐに電話が掛かってきましたよ。「めちゃくちゃ難しいです」って(笑)。いくら布帛のようなハリがあるといえど、やはりジャージー素材。伸縮性があって縫製中に生地が動きやすいので、本当に難しいんです。熟練の職人技がなければ形にできないものでした。
けど同時に「すごく綺麗な生地ですね、素敵な洋服になるよう頑張ります」と工場さんからありがたいお言葉もいただいたんです。
小和田:無理を言ってしまってすみませんという気持ちと共に、そう言ってサポートいただける事への感謝の気持ちでいっぱいです!
前立てはステッチを入れず、あえてポケットも付けなかったので、生地の揺らぎが綺麗にでるようにしました。ボタンも極薄の貝釦にしたのでシャープな印象に仕上がったなと思います。
先ほどもお伝えしましたが、LIFiLLは「大人が着られるカジュアルな洋服」をテーマにしています。
ジャージーという素材を使う時点で、本来は「カジュアル」に分類されるものだと思っています。だからこそLIFiLLでは、オンオフを問わず、きちんとしたシーンまで着ていける美しさを追求しました。あえて主張を抑えた、品格のある表情。これこそが、私たちのどのアイテムにも共通するデザインの核なんです。
青山:年齢を重ねて体型が変わったり、家族ができてライフスタイルが変化したりしても、そっと日常に寄り添いながら、でも着た時に気分が高揚する。そんな洋服をこれからも作り続けていきたいですね。

小和田:168㎝の僕で2(S)を着用しております。空気がはいるとふわっと軽やかにふくらむような、リラックスしたサイズ設定にしております。体に優しく沿ってくれるので、大きすぎる印象は受けないです。すっきり着用したい方はワンサイズおとして選んでみてください。
青山:日よけや冷房対策として、夏に長袖を着ていても気持ち良いです。POPUPで実際にお客様に着用いただくと「こんな着心地のシャツもってない!」「軽くて、しかも伸びてくれてすごい楽!」など驚きの反応をいただいております。
洗濯の際は貝釦が薄く割れないように、裏返してネットに入れて洗ってください。それ以外はガシガシ気兼ねなく着て洗って、「GIZA45」の風合いよさを楽しんでいただきたいです。
小和田:今年は新色を3色追加しています。鮮やかな「SAX」、落ち着きのある「BEIGE」、京都紋付様に染めていただいたスペシャルエディションの「KYOTO BLACK」。「GIZA45」は色が綺麗にでるのも特徴的です。
個人的にはKYOTO BLACKの仕上がりに強い衝撃を受けましたね。私たちが愛着を持って作った生地と製品が、日本の伝統的な染色によってさらに良さを引き出してもらえたと思います。
青山:4/22(水)から始まります伊勢丹新宿メンズ館のPOPUPでも、このGIZA45のシャツを実際にご試着・その場でご購入いただくことができます。日本の技術力の結晶ともいえるこのシャツをぜひ会場で味わっていただきたいなと思います。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
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